最近の馬肉事情
馬の繁殖は5〜8歳頃がベストだそうで、妊娠期間は11ヶ月と長く、一頭ずつしか生まれてこない為、食用の馬は、需要と供給が追いつかず、10年程からカナダやヨーロッパなどの提携牧場から2歳位までの仔馬を生きたまま空輸して来て、国内で一年から一年半肥育します。
食品表示上はカナダ産熊本県肥育馬となります。
現在食用の馬は8割海外からの生体輸入で2割国産ですが、肥育環境で品質が決まる為、外国産も国産も混ぜて一緒に育てられます。
エサは国の厳しい基準に従ったブレンドエサで馬の体調に合わせて毎日変えるそうです。
徹底した体調管理と、適度な運動、ストレス管理をして、衛生管理のしっかりした牧場で育てられます。
最終的には、サラブレッド種の2倍の800キロ〜1,000キロほどに肥育されます。重種とも呼ばれます。
屠畜制限
馬の屠殺については別名「屠畜とちく」と言います。屠畜は都道府県の許可を得て獣医師や畜産学科の学士を持っている衛生管理責任者が行うと言う決まりがあります。
生体輸入が数年前の4倍に増えたとは言え、屠畜も制限があり、屠畜は1日に2頭あるかないかです。1ヶ月に60頭、10ヶ月で600頭も必要になる訳です。お取引先の生産者様のところでは、常時800頭程肥育されています。沢山いそうですが、1日2頭あるかないか分です。それが全国に出荷されるので、熊本県内でも、熊本肥育の馬がどれほど貴重か、レバ刺しやたてがみがどれほど希少部位かお判りいただけますでしょうか?
屠畜後48時間冷凍保管の法律化
2010年から、食中毒のリスクから、馬をさばいてから48時間の冷凍保管後、出荷される事が法律で決められています。
寄生中など死滅させ、新鮮な馬肉を品質を保ったまま仕入れられるので、食中毒のリスクも低く、安心して提供が出来る理由です。
馬肉を扱って30年
当店には、大トロの中の大トロ、極上霜降り馬刺しもご用意あります。
特に希少なレバ刺しや特上馬刺しなどは、永年の信頼関係が無いとお取引出来ません。
一頭から8〜10キロしか取れない馬のヒレ肉など馬肉の専門店ならではのお料理を提供しております。
今後は円高や世界情勢の影響で、更に馬肉は貴重となってしまうと言われています。熊本の文化を絶やさないよう様々なバランスを保って、安心安全な馬肉料理を提供できる努力を重ねて行きます。